歴史6~10章

   第6章 さまざまなエコ武器たち(エコ剣の流れを汲むもの)
   
 エコチャンバラの大きな魅力のひとつは、自分で武器を開発できることです。安全性と強度を両立させるのは極めて難しいのですが、試行錯誤の上、基礎的な工作技術を積み上げて、現在、まあまあ実用になるまでのノウハウを蓄積しました。

 まず最初に開発したのが、前述した(1)原始的エコ剣です。これは、某メーカーの炭酸系飲料1.5リットルペットボトルに棒を突き刺しただけの形です。唯一の工夫は、ビニールテープで径を合わせ、軸を固定したことです。

 次に、この原始的エコ剣の、ペットボトルの底の部分を切り落としてみました。すると、エコ剣の先端が大きく口を開けた状態になります。間抜けなばかりか、間違って突きを放ったときに「オフセット衝突」の状態になり、怪我を招く恐れがあるので、開口部をテープでふさぎました。これが(2)エコ剣1。

 原始的エコ剣では、叩いてもいっさいペットボトルはへこみませんでしたが、エコ剣1では、そのつどへしゃげました。が、反対方向に叩くともとにもどります。

 ペットボトルの強度ですが、原始的エコ剣をコンクリート電柱になんどもぶつけましたが、割れることはありませんでした。ペットボトルどうしの衝突、あるいはペットボトルと人間の衝突では割れたりくだけたりすることはないと判断しました。

 エコ剣1は、しかし、内径がぴったりくる木材が地元に売っていなかったため、常に細い軸で剣の柄を作るしかありませんでした。折れる危険性もあります。そこで、太い軸でも対応できるように発想を変えました。軸の先端にキャップを取り付け、このキャップにペットボトル本体をねじ込む形にしたのです。これが(3)エコ剣2です。

 最初の実験では、同じペットボトルのキャップと本体の組み合わせで作ったときは、コンクリート電柱に叩きつけても、軸と本体ははずれませんでした。不肖、私はベンチプレスで100キロ程度を挙げます。その力でぶったたいてお大丈夫だったので、これはいいぞと思ったので、この後、エコ剣の主流は、この「ジョイント式」にしました。

 この時点で、福祉施設に大量発注することになったのですが、問題が生じました。施設は資源ゴミで出されるボトルを改修してエコ剣を作る予定だったのですが、某メーカー炭酸系飲料の1.5リットルボトルは、一般家庭からはあまり排出されなかったのです。炭酸系1.5リットルボトルの入手をあれこれ画策しましたが、うまくいきませんでした。その製品を出している本社にまでかけあいましたがだめでした。

 500ミリのボトルでは、短すぎる。せっぱつまるといいアイデアが浮かぶ場合もあるものです。短すぎるならばくっつければいいと思いました。ただ、どのようにすればペットボトルをくっつけられるか。よく見れば、ペットボトルは、たとえば丸胴のすとんとした形のものでも、必ず径の太さの大きい部分と小さい部分があります。一方を大きな径で切り、一方を小さな径で切れば、接合しやすいはずだ。思いつきをためすと、うまくいきました。ビニールテープでとめて実用に耐える強度になりました。これが(4)エコ剣3です。エコ剣3は、叩いても、1.5リットルボトルほどにはへしゃげなくなりました。

 この、ボトルの接合技術を編み出したことで、エコチャンバラの工作に一気に幅が出ました。それまでは、長い剣をつくろうとしたら、底を切って、別のボトルの頭をそれに入れる方法しかなかったのですが、これでは接合部分が固すぎて、怪我をします。ところが新しい接合方法だと、接合部分も柔らかいままです。
 この方法を施設に取り入れてもらい、数百本のエコ剣を作ってもらいました。

 さて、さらに問題が生まれました。ひとつは、キャップジョイント式のエコ剣は、強打につぐ強打によりキャップがはずれることが多くなっていくことがわかったのです。接着剤で固めればいいのでしょうが、エコ的でない材料はあまり使いたくありませんでした。それに第一、キャップジョイントの一番の利点は、好みに応じて、軸にいろいろな武器をジョイントできる点にあったのです。

 この課題は直接的にはまだ解決していません。十分な強度をもってなおかつ自在にジョイントを解除できる技術を今後開発する必要があります。現在は、打撃回数が多いイベント用には、軸をボトルに差し込む形のものを使用しています。軸を特注したために細くても折れなくなりました。
 もうひとつ問題が生まれました。イベントなどで自由に打ち合っていると、指にエコ剣が当たって、皮膚が傷つくことがあるということです。この防止策として、当初から厚手の手袋を用意して、それを装着してからエコ剣を握って貰うように指導していましたが、煩雑なためついつい子どもたちは素手でやってしまいます。

 そこで、手を保護する仕掛けが必要だと思い、工夫の上、2リットルボトルを半分に切って、これで手をカバーすることを考えました。これにはキャップジョイント方式があったから出来た技術でした。これを(5)エコサーベル1とします。

 ところが前出の問題がここにも影響しました。きちんとキャップがはまっていれば早々とれることはないのですが、一度はずれたキャップは変形してしまい、簡単にはジョイントできなくなります。エコサーベル1をさらに改良する必要が、そして軸をボトルの中に入れたエコ剣をリメイクする必要が出てきました。

 いろいろと工夫するうちに、1.5リットルボトルで手の覆いを作り(某メーカー以外のものでも可能。そのため材料は比較的手に入りやすくなりました)、そこにいったん通した軸を新接合方式で作ったエコ剣に差し込む。ただそれだけだと、差し込んだ部分がえらく固くなり危険きわまりないので、手の覆いの部分と剣本体を六角胴ないし丸胴ボトルの胴体をつかって覆う。これでもまだ、本体の部分の一部が危険なので、打撃面のほうに一.五リットルボトルの一部を使った覆いをかける。そのままだと軸がすっぽり抜けるので軸の一部に金具を打ってとめてできあがり。これを(6)エコサーベル2としました。エコ剣のシリーズの中では、これが今のところ最新式です。

 エコ剣の流れを汲む武器としては、ほかに、エコ剣自体のジョイントを増やした(7)エコ長剣があります。また、500ミリではなく、1,5リットルボトルを複数つなげた(8)エコ大剣もあります。これらは大変強力な武器です。そのためイベントでは子どもらに人気があるようですが、あまり強力な打撃を可能にする武器の改良はほどほどにしたほうがいいと思います。
 チャンバラごっこを知らない子どもたちがいきなりエコチャンバラをやり、指導者が十分に指導しないと、子どもたちは全力でエコ剣をふるいます。そうするとどんなに安全に作ってある武器も危険です。それがまったく壊れないように出来ていると、振り回したエネルギーが100%相手に襲いかかります。強く打ちすぎると、たとえば先っぽがはずれて、威力を逃すような工夫が今後必要です。

 子どもに人気のある武器を作ることを「要求課題」、子どもにふさわしい武器を作ることを「必要課題」とします。エコチャンバラが進むべきなのは「必要課題」を発見し、実現化させることです。おもしろさを併せ持った安全な武器を開発するには、真の知恵が必要です。
  

   第7章 さまざまなエコ武器たち(琉球の流れを汲むもの)

 エコ剣1を開発して間もなく、どうせならどこまで既存の武器をなぞれるかためそうと思い、トンファーとヌンチャクの開発に取りかかりました。
 両方とも香港映画の類で見たために、中国武術の武器だと思っている人が多いようですが、実は琉球の武器です。
 琉球(今の沖縄県)は昔は王国でした。空手の母国でもあります。個人的に私はその土地と歴史と人々を尊敬しております。

 その琉球において、「手(てぃ)」という技術がありました。素手で人を戦闘不能にする技です。また一方、日常的な道具を使った護身武術もありました。石臼の柄を使った護身武器がトンファーに進化し、馬の轡(くつわ)を使った護身武器がヌンチャクに進化しました。(ただし、ここらへんの説には諸説あります) 身近なものを武器化するという点ではエコチャンバラの思想は古い琉球の武術につながるかも知れません。ちなみに「てぃは君子の技、武器術は農民の技」ということわざがあったそうです。

 前置きが長くなりましたが。
 
 ヌンチャクはわりと簡単にできました。ボトルを各々棍としてつなげればいい。つなぐ方法は、キャップに穴を開けてひもを通せばいい。で、ドリルでキャップに穴を開けてひもを通してできあがり。さらに、このひもの長さを伸ばせば、鎖分銅のエコ版ができあがり。ほぼ一瞬で、(9)エコヌンチャクと、(10)エコ分銅ができました。
 エコ分銅のほうは、片方をエコ剣と組み合わせることで(11)エコ鎖鎌になりました。されに、500ミリボトルを6個、ロープに通して作ったのが(12)エコ六節棍。これは中国の七節棍のもじりです。

 トンファーのほうは手こずりました。何度か試して、軸を二つ、Tの字に組み合わせ、金具で固定しました。その先にキャップジョイントでペットボトルをつけて、なんとか作れました。(13)エコトンファーです。
 ここまでくると、実際にある武器でないものも作りたくなります。いたずら心でトライしたのが、(14)エコロケットパンチです。ロケットパンチとは、往年の名作アニメ『マジンガーZ』の代表的な技(?)。なにせ肘の先がそのまますぽんととれて飛んでいき、相手を撃破してから戻ってくるのです。初めて見たときの衝撃は大きかったものでした。(日本中の40歳代の方、そうですよね)

 これをエコ武器で再現できないか。試行錯誤の上、エコサーベル1を改良し、1.5リットルペットボトルの中に軸をとり、ボトルの先を切って穴をあけ、その先にもうひとつペットボトルをつけて、ロープを手元のペットボトルに通すという形を作りました。振ってみると確かに先端が飛んでいき、ロープを引くと、戻ってくる。
 ちなみにこのエコロケットパンチ、2003年の釧路市生涯学習フェスティバルにて親子工作教室を開いたときに、作り方を受講生に教えました。するとお父さんたちが目を輝かせて、子どもたちに、
「いいからお前はエコ剣もって立っていろ。お父さんがロケットパンチやるから」
 と、はしゃいでました。立たされた子どもたちは何が起こったのかわからんという表情。そりゃあ、マジンガーZに熱狂したことがなければわからん。30年ぶりにマジンガーZになれたのですから。
 エコロケットパンチとエコ六節棍をくっつけて、(15)エコケインというのも作りましたが、これはちょっと威力が強烈すぎて、お蔵入りです。


   第8章 さまざまなエコ武器たち(飛躍の武器)

 2003年11月。ここまでのエコ武器開発と、一線を画した事件が起こりました。私の息子(次男:当時5歳)が、「エコチャンバラで弓矢を作って」と機会あるごとにしつこくしつこくおねだりしたのです。
「んなもの、作れるわけない」
 私は当初否定的でした。どう考えても、飛び道具はエコチャンバラでは無理だろう。せいぜいエコロケットパンチが限界だ。いやゴムひもを使えば弓矢はできるだろうが、それはなにもペットボトルを弓にしなくてもいいわけなので、エコチャンバラの武器とは言えない。

 だめだと思いこむとだめだと信じることになります。しばらくの間、次男の要望を私は無視していました。ところが、この次男、数々ある欠点を補ってあまりある大欠点(?)をもっていました。「生まれてから、一度も負けたことがない」のです。
 正確に言えば、まず決して「まいった」をしない。どんなに相撲でふっとばされても、決してまいったと言わない。おもいきりくすぐったら「まいった」と言うのに、その直後「今のは嘘」と開き直る。たぶんこの分では生涯無敗だろうと思えるほど、まいらない。まいらないというよりはあきらめない。
 そんな次男が一度や二度、父親に「無理だ、できない」と言われたからといって、あきらめるわけがありません。
 女房がやった読み聞かせのイベントに参加し、とても気分のよい帰途。ご機嫌な私に、次男はまた言いました。
「ねーねー、お父さん。エコ弓矢を作って」
 そのとき、子どもらに受けたという達成感に酔いしれていたので、思わず、
「いいよ」
 と言ってしまいました。
 言ったとたん、できるかも知れない、と思いました。
 
 不思議なもので、できると思った瞬間、イメージがわいてきました。できないと思いこんでいるとできるものもできないものです。ローマ法にいわく「『できるわけがない』と言う人は、それをやっている人の邪魔をしてはならない。」です。
 弓の原理はなにか。弦がゴムひもみたいに伸び縮みして矢を飛ばすわけではありません。弓を曲げて、それが元に戻る弾力を利用して矢を飛ばしているのです。ならば、ペットボトルにも曲がって戻るような仕掛けをすれば矢は飛ぶはずです。そのためには? ペットボトルの一部を切ればいいのです。

 最初、六角胴のボトルをふたつ、エコ軸と呼んでいる、短い棒の両端にキャップをつけたものに、とりつけました。胴を切って、ボトルの底に穴をあけ、ロープを通しました。
 さて、矢は。身近にあるものは新聞紙。私は新聞紙を切って丸めて、大きな吹き矢の矢、みたいなものを作りました。先端をちょっとセロハンテープで止めるだけでできます。これをさっそくインスタント弓で引いてみると、ぽん、と予想以上の勢いで、二メートルほど飛んで壁にぶち当たりました。
「おっ」
 思わずうなりました。
 適当もいいところの組み合わせでこの結果。なにより矢の飛び出しに力がありました。工夫すればいけるなと感じました。

 そこで私はいろいろな形のペットボトルの胴をいろいろな風に切り取りました。その結果、一番弾力を生み出してくれるのは、四角胴のボトルであるとわかりました。
 実は、四角胴のボトルは角が固すぎて、それまで一切エコチャンバラの材料には使ってこなかったのです。それが一気に地位回復。
 矢の方も、新聞紙では弱すぎると思い、新聞に折り込まれる広告を使ってみました。すると、地元の某スーパーの矢が飛びやすいことがわかりました。固すぎても柔らかすぎてもだめ。丸め方も、細すぎても太すぎてもだめ。微妙です。が、矢の材料費はほとんどゼロ円。むしろやっかいものの広告を再利用できます。

 正確には計測していませんが、弓の作りがよく、矢もきちんとまけて、うまく発射のタイミングがあうと、10メートル以上も飛びます。
 これは大発明だ。と自分で思いました。なぜなら、これで、エコチャンバラに弓矢が加わり、射的だとかシューティングだとかの遊びもできるようになるし、日本的には三十三間堂の通し矢みたいなこともできる。運動神経のにぶい子でも、エコチャンバラが楽しめるのです。さらには、剣をもつひと、弓をもつひとをチームにすれば、合戦もできるはずです。

 このイメージは後に、『第27回北海道子どもの本のつどい釧路大会』で私が担当した『子ども忍者教室』において『ロード・オブ・ザ・リングごっこ』として現実化しました。15対15で、弓兵と剣兵を擁した各々の軍が、相手の王様に矢を当てるか、剣で叩くかしたチームの勝ち、という遊びを実際にやったのでした。見ているほうもやっているほうも盛り上がりました。こうなると、個人の強さよりも戦術のうまいチームの勝ちです。
 エコ弓矢はエコチャンバラ協会のスタッフにさっそく紹介し、さまざまなシーンで使ってもらっています。エコ剣での闘いよりも人気があるようです。(16)エコ弓矢は最も発展性のあるエコ武器です。


   第9章 さまざまなエコ武器たち(攻撃武器以外で)

 武器には攻撃用と防御用があります。エコ武器として試作したものの中には、少なからず、防御用のものもありました。
 初めに開発したのが(17)エコ十字剣。十字に軸をつくってその先にペットボトルをさしたものです。攻撃力はほぼゼロですが、イベントなどで子どもらがうわーっと襲いかかってきたときに守るにはなかなか重宝します。
 続いて(18)エコ楯。2リットルボトルを横に2つつなげてロープで取っ手をつけました。

 どうせなら鎧を作れないかと(19)エコアーマーも作ってみました。長男に合わせて作ったもので、胸当て、肩当て、小手をロープでつなげました。結構かっこいいものです。長男はえらくこれがお気に入りで、自分でマジックで着色してメタリックな感じを少しだけ出しました。
 ヘッドギアを自作できないかといろいろと試しました。牛乳パックで顔を覆ってみましたが、そのままだと、叩かれた衝撃がもろに顔にきます。そこで、牛乳パックで顔に直接つく形で箱を作り、その上に、最も衝撃がきやすい額の上、頬の3箇所に6角胴のボトルをつけました。(20)エコ兜です。

 ペットボトルを単に輪切りにしたものも使えます。長男が最初に作り、ぽんと飛ばしたら、手裏剣みたいでした。そこでエコ手裏剣と命名しようとしましたなりました。が、これは腕輪みたいなので、わが釧路のまちにちなみ、(21)エコくしろと名付けました。「くしろ」とは「釧」と書きます。意味は、古代の腕輪のことです。ちなみに「環」は「たまき」とも読みますが、「釧」にも「たまき」の意味があります。釧路の釧は、環境の環の字と、関わりがあるわけです。さすが、エコチャンバラ発祥の地です。(<ちょっと強引か)
 エコくしろは、飛ばせば手裏剣として、つなげればエコ鎖として使えます。

 今度は次男が、ペットボトルの底を切り、投げ始めました。すると、ふわーっと遠くまで飛ぶではありませんか。これはフライングディスクと形が似ているからでしょう。エコ手裏剣と命名していますが、どちらかと言えばエコフライングディスクです。エコ手裏剣は今後、きちんと開発したいと思っています。
 2003年に公募したエコチャンバラ武器で、(22)エコ手甲が応募されました。非常にデザインも優れているのですが、製作工程がちょっと難しそうです。アニメの鋼の錬金術師のような感じのものになれば子どもらに人気が出るか、とも思っています。



   第10章 さまざまなエコ武器たち(新たな地平)
   
 エコ剣の開発でまず門を開き、エコ弓矢の開発で飛躍したエコチャンバラ武器群ですが、実はまだまだ解決しなければならない技術が山のようにあります。
 まず、エコチャンバラでは原則、突きを禁じています。これは、突かれた拍子に倒れて頭を打つ可能性が否定できないからです。なので、突いたときに先端がひっこむ工夫が必要になります。500ミリボトルを接合する新技術をあみだしたとき、あわせて、先端部分(ちょっと固い)を柔らかくするため「蓮の葉切り」という技法も生み出してましたが、とても本格的な突きには対応できません。課題その1です。

 また、エコ長刀(23)、エコ槍(24)、エコ十文字槍(25)、エコ棒(棒術)(26)、エコ杖(杖術)(27)などは、使用を禁止しています。こういう長尺ものになるとどうしても威力がつきすぎて危険だからです。当たってもしなることにより破壊力を消す作りを探さないといけません。課題その2です。

 再掲になりますが、エコ剣群についても、一定以上の強力な打撃が加わったら、先端なりがはずれて威力を自ら落とす工夫が必要です。課題その3です。

 さらに、再掲になりますが、キャップジョイントは武器の多様性と武器のトッピングを可能にする技術なので、もっと強度を維持できるキャップジョイントの方法を作る必要があります。課題その4です。

 そして、これまで触れていませんでしたが、防具もまた必要です。今のところ空手のヘッドギアが一番安全性にも経済性にも優れていますが、それでも5000円以上もします。
 これを解消するため、前の章で説明したように牛乳パックを改良して、エコ兜を作りました。が、格好が悪いのと、つけていると暑いのとで、人気がありません。さらなる改良が必要です。課題その5です。

 エコ手裏剣(28)については、様々な形をこれまで作ってきました。が、いまひとつ決定打が出ていません。手裏剣には大きく分けて棒手裏剣と円形手裏剣があり、忍者の使う十字手裏剣などは後者です。安全にしかも遠くへ飛ぶ手裏剣の開発が必要です。課題その6です。

 エコサーベル2でも、なぜか手に傷をつけるひとが、この世にひとりだけいて、それがなんとスタッフなのですが(実際、エコサーベルで怪我したのは、のべ数百人の中で、このスタッフだけ)、彼女のためにも、簡単に作れるエコ手甲が必要です。課題その7です。
 また、これは解決順位が相当下がりますが、卵のパックをなんとか有効利用できないか、ということも課題です。

(つづく)


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